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2019年06月28日

【豆知識】白タクって何?

こんにちは!
夏の花が綺麗に咲き始めている北海道でひと際大きく咲く一輪の花、マイノリズムです。
(※車両は四輪です。ご安心ください。)

白タクって何?

さて、今日はハイヤー業界の豆知識『白タクって何?』と題したブログ。
みなさまは「白タク」という言葉をご存じでしょうか。

白タクとは、自家用車を使って運輸局の認可を受けずに無許可でタクシー、ハイヤー営業をすることです。
普段みなさまのご家庭で乗られている車のナンバープレートは普通乗用車だと白色、軽自動車ですと黄色ですね。
そしてタクシーは緑色です。
白色のナンバープレートのまま営業行為を行っていることから白タクシー、略して「白タク」と呼ばれているのです。(最近はオリンピックナンバーと言い、緑ナンバーや黄ナンバーの車両でも右上などに五輪のマークがペイントされている白いナンバープレートを付けていることがあります。)

リムジン3台で“白タク” 会社役員ら3人逮捕(Livedoor NEWS)

こちらはつい先日のニュースですが、上記のように白色、もしくは黄色のナンバープレートで旅客を送迎して運賃を収受することは、法律で禁止されています。

タイムリーな例えでかっこよく言えば、お上に内緒でこっそり営業を行い利益を得ている、闇タクシーですね…‼

日本ではタクシー・ハイヤー事業認可のハードルが高い

日本でタクシー・ハイヤー事業を始めるのにあたって、個人で始めるには事業認可のハードルが高いのが現状です。
それゆえ、日本人のみならず、ジュネーブ条約に加盟していない国(中国等)の人達も白タクによる営業活動を行っています。

タクシー・ハイヤー事業への参入を考える場合は、以下の条件をクリアする必要があります。

  1. 各地方自治体で定められている最低限の車両数を確保する。
  2. 運輸局に新規事業の申請をし、認可を得て緑ナンバーに変更してから営業をする。
  3. 反社会的勢力の方とはお付き合いしない。

なぜ白タクが蔓延しているのか?

なぜ無許可営業の白タクが蔓延しているのでしょうか?
それには、いくつかの要因があります。

地方自治体が定める最低台数を確保すること

前段で述べたように、実はタクシー・ハイヤー事業を個人が新規で開業するということは、非常にハードルが高いのです。
たとえば、北海道千歳市は最低5台の確保が必要となっています。
個人でまず5台の車を所持しないと申請ができない現状は、本当に厳しいと思います。
というか、弊社の実体験として、とても大変でした。
いえ、整備や保険費などランニングコストを加味すると現状でも大変です。

中国国籍の方は国際運転免許証で運転することができない

中華人民共和国はジュネーブ条約に加盟していないため、国際運転免許証で運転するということができません。
そのため、レンタカーでの移動という選択肢がなくなります。
(台湾などで偽造免許証を発行し国内で運転している問題点もありますが、それはまた別の機会にお話しいたします。)

なので、中国国籍の方に限った場合、移動の手段が北海道に関してはJR、バス、タクシーなどの交通機関に限定されてしまうのです。

日本における言葉の壁

さらには中国語しか話せない場合は、運転手とのコミュニケーションも取れずに旅行の幅を限定されている側面があります。
そこで、自家用車と日本の運転免許証を持っている中国人の白タクが、通常のタクシーよりも需要ができてしまうという悪循環が発生してしまうのです。

さらに、以前中国の方に見せていただいたのですが、中国の方は基本的にそういったやり取りはすべて「we chat」という日本でいうLINEのようなアプリで白タクのトークルームを作成して行っています。
観光客が旅行前に行き先や人数を書き込むと、白タクドライバーが価格を提示し、オークションのような形で成立しているのです。

しかもwe chatペイというシステムで事前に決済出来てしまうために、新千歳空港に到着して観光客を車に乗せる時などに金銭の収受をしないため、発覚し辛く検挙することが難しいという現状があります。

千歳市近辺に新規ハイヤー会社激増の背景

弊社は2017年に千歳市でハイヤー会社を新規設立いたしました。
協会の方に聞くとなんと50年以上振りの新規参入とのことでした。

その当時、開業しようと奮闘している最中に役場の方や協会の方からは「今更ハイヤー会社は儲からないからやめた方がいいよ」とアドバイスをいただいたことを記憶しております。

しかし翌年、恵庭市を含む千歳市近辺で、新規参入のハイヤー会社が約10社ほど事業を設立したというニュースが新聞やテレビで報道されました。

新規参入のほとんどは元白タクのドライバーが5人集まり、正式に運輸局に申請を出し認可を受けたのです。
この背景には、中国政府が中国の旅行会社に白タクの使用を禁止する通達を出したり、団体からFIT(Foreign Independent Tour:家族や友人などの個人旅行のこと)の旅行形態に変化し、更には白タクの利用から保険などの安全性を求めて緑ナンバーへの需要が高まったことなどが理由として挙げられます。

今後の北海道の二次交通の需要

上記のような理由で、北海道では白タクが蔓延していることがわかりました。
現状でも新千歳空港の一般車レーンでは白タクと思われる車が毎日のように見ることができます。
ここからは個人的な見解もありますが、白タクは現状しばらくは減っていかないのではないかと思っています。

なぜなら、北海道で認可を受けているタクシー、ハイヤー会社のドライバーで、中国語の対応ができるドライバーが圧倒的に少ないからです。

観光ハイヤーを正していくための法整備の必要性

とても皮肉な話ですが、北海道ではそもそも冬場のハイヤー台数が不足していることを、先日のブログ記事で記しました。
その時期だけでも、仮に白タクだとしても、観光客に送迎のサービスを提供し、観光産業の利便性を向上させてしまっているのです。
しかも通常のタクシー、ハイヤーより価格が安かったりもします。

今後の流れとしては、白タク営業をしているドライバーのナンバーを早急に緑ナンバーに変えていくこと、そして、その方々と連携体制を取り、正式に二次交通の利便性を向上させていく必要性があります。
これは、法整備の段階から行っていく必要があります。

彼らは正式な認可を受けることができれば、日本語と中国語が話せる優秀なドライバーに早変わりします。

メーター制のタクシーに関しては現状のままでもよいのかもしれませんが、観光ハイヤーなどに関する新規参入に関しては一考の余地が十分にあると思います。
排除ではなくいかに共存していくか、これが北海道の今後の観光産業の利便性の向上のカギになるのではないでしょうか。

以上!今日も真面目な記事のマイノリズムでした!
次回は久しぶりに温泉の記事を書きたいと思います!お楽しみに!

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